春はフケのご相談が増える季節だったことを、店を移転して思い出しました。
移転前はお得意様が大半だったので、頭皮のコンディションが安定している方が多かったのです。
どうも、冬場に頭皮の皮膚炎が増悪することが多いようなんですよね。
皮脂が固くなって洗いにくくなるからなのか、洗髪の頻度が落ちるからなのか。
今日は、科学偏重のヘッドスパセラピストがちょっと真面目にフケの話を書こうと思います。
フケとはなにか?
角質の剥がれ落ちたもの。
決して汚いものではありません。
頭皮も皮膚の一部ですが、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)によって剥がれ落ちる角質は通常、目に見えないくらい小さなもので起きています。それが少々乱れることによって目に見えるくらいの大きさとなって剥がれ落ちると考えられているようです。
フケの原因は何か?
常在菌であるマラセチアが過度に増えすぎてしまい、皮膚炎を起こすとフケが増えるようです。
マラセチアは油分をエサに増殖するようで、元もと皮脂が多めな人がなりやすいです。
フケの原因として「頭皮の乾燥」をイメージされる方が多いようですが、実際はその逆の場合がほとんど。頭皮は全身の皮膚のなかでも皮脂腺が多く、活動も活発なのでなかなか乾燥はしづらいところ。乾燥性のフケはかなり高齢にならないとみられないようです。
つまり──「フケが多いので洗髪を控えている」は、悪循環から抜け出せない可能性があります。
フケが目立つときの対応は?
大前提として、頭皮に赤みやかゆみがある場合、フケが非常に多い、長期にわたっている場合はまずは皮膚科に相談しましょう。セルフケアや化粧品(シャンプー)でできることはマイルドです。
シャンプーなどのホームケアは、何度か診断がついていて、医薬品使用後の管理として利用するのが賢い方法です。
油分を落とす
皮脂を適切にコントロールするために、1日1回適切な洗浄力のシャンプーで洗髪します。ちなみに、フケが目立つときに成分的に信頼できるシャンプーは1種類しかありません。amazonなんかを見ると、「フケ用シャンプー」と謳っている製品はたくさんありますが、私が確認できている科学的に有用性が高い製品はひとつです。
最後にご紹介します。
油分を増やさない
ミルク、オイルなどのアウトバストリートトメント、ワックスなど油分が多い整髪料の使用を控えます。トリートメントやコンディショナーに入っているエモリエント剤も油溶成分なので、地肌につけないようにするか、それらの成分が少ないトリートメントやコンディショナーが良いです。
新陳代謝を促進
適度な固さとしなりのブラシで朝晩ブラッシングし、血行を促進して新陳代謝を高めます。育毛成分としてエビデンスのあるミノキシジルは血行促進成分です。頭皮ケアに関しては、科学的に有用なケアは今のところ血行促進のみ。
適度なブラッシングにより物理的に血行促進することは、手軽かつ間違いのない頭皮ケアです。
ブラシの洗浄、乾燥など衛生管理もお忘れなく。
フケが気になるときに真っ先に試すシャンプーはこれ
硝酸ミコナゾール塩が入っているのが、未だにこちらだけだと思うんです。
ミコナゾール硝酸塩はマラセチアさんの天敵です。
すごい昔……私がヘッドスパの提供をはじめた17,8年前から原型の製品はあったんですが、見た感じ他のメーカーさんで出していないのですよね。
他はグリチルリチン酸(抗炎症成分)や、ビタミンB誘導体(皮膚炎予防成分)が入っているくらいで、大元のマラセチアに対するアプローチがないんですよね。
製品の変質防止のために制菌成分や殺菌成分は入っていますが、それはあくまでも製品の品質保持剤なので……。
過去20年弱のあいだに、相当数のフケが気になるお客様にオススメしてきましたが、大抵こちらで落ち着いています。
女性に関しては、よりマイルドなタイプ、
で大丈夫だし、毛幹部のことに関していえばこっちじゃないと少々きついようです。
かなりの安定感のあるコラージュフルフルシリーズですが、ネックなのはやっぱり髪がきしみがちなこと。
エモリエント成分を使っても大丈夫なようであれば、毛幹部にだけはシリコーンオイルなどがしっかり入ったトリートメントと併用するといいかもしれません。
ご自身のフケの状況と、髪質や髪の長さと相談していろいろ試してみてください。
大前提として繰り返しますが、まずは病院、医薬品です。
シャンプーは予防的管理として賢く使ってください。
なお、このブログを見て、コラージュフルフルを使ってトラブルが起きても当方は責任を負いかねます。
この記事を書いた人
10年以上継続して見させていただいているクライアントが多数。
実店舗が札幌にあります。
■店舗情報
札幌市豊平区豊平3条2丁目1-51
エリズビル503号室
011-815-2375(月曜定休/10時-20時)
子どもには何でも知っていると言われ、夫には歩く交通教本と言われ、さまざまな分野の知識を広く、深く詰め込んでしまいます。なんでかは自分でも分かりません。
たぶん、ステータスを生まれつき好奇心に極振りしているんだと思う。
その反動か生活能力が皆無な残念な人です。
がちがちな濃い美容情報は空気を読んで別館にまとめています。